教育制度の一環として、メンター制度を導入する企業が多くあります。このメンター制度は、企業側からすると複数の狙いを持って行なっているケースが多く、導入によって様々な効果をもたらします。その影響を最も受けるのが、教育を受ける新入社員です。新入社員にとっては年齢が近い先輩社員が温かい目でコーチングをしてくれる環境があると、仕事面、人間関係面で不安な事があっても安心して頼る事が出来ます。これはメンタルヘルスの観点からも非常に有意義なものとなっており、若者の早期離職を抑える事にも繋がっています。

企業側は目先の成長などに目を向けがちですが、このメンタルヘルスの部分をしっかりとケアして行く事が離職率の低下に繋がり、組織全体の強化に繋がって行くと言えるでしょう。中長期的な観点から教育制度に向き合う姿勢が現代の社員教育には重要なのです。

また、教育を受ける新入社員側だけでなく、教育をする側の社員にも良い影響が生まれます。教育を行う事で指導をする難しさを知り、管理職としての資質を磨いて行く事が出来るからです。メンター制度は単に指導をするのではなく、新入社員の自立や成長を促す事、仕事や人間関係に悩む新入社員のメンタルヘルスにも留意する事などが求められます。そのため、焦れったいと思っても、新入社員に寄り添ってアドバイスをしていかなければなりません。通常の指導や育成と比べて神経を尖らせて教育を行なって行く事が必要となるでしょう。